わたし、全ての生体販売が悪と決めつけるのは止めました。誠実なブリーダーさんもちゃんといました

こんにちは!ドッグスリング専門店の黄瀬(@tommykise)です。「年間16,000頭(平成27年度環境省調べ)もの犬が殺処分されているのに、なんで繁殖するの?」以前のわたしはそのように思っていました。しかし、犬について勉強していくうちに考え方は変わりました。

犬は祖先が野生の狼ですが、約15,000年前に家畜化されてから、人の手によって品種改良が行われ、犬種が固定されてきました。柴犬が柴犬であり続けられるのはブリーダーさんの存在があるからこそ。

この度、ervaのドッグスリングを “誠実な” ブリーダーさんのお店で販売することに決めました。今まで当店の活動をご覧いただいていた方は驚くかもしれません。そこで、ブリーダーさんとのお取り組みを開始する前に、皆さんにしっかりお伝えしたいと思いました。

誠実なブリーダーさんってどんな人?

相手のことを知らずに否定するのは良くないと思い、これまで犬の繁殖や生体販売に関わる方達とお話しをしてきました。その中でわたしが、「この人誠実だ(上から目線ですいません)」と思える素敵なブリーダーさん達にお会いすることができたのです!

ブリーダーM.Oさん
「自分の犬舎から生まれた子達はみんな可愛い。だから引き渡した後、もし何かあって戻ってくることになっちゃった時はわたしが面倒みるから、それを考えると何頭も繁殖なんてできないんです。」

衝撃的でした。だから、誠実なブリーダーさんの犬舎にはいつも赤ちゃんはいないし、本当に心底欲しいという情熱のある人でなければ、犬は譲らないとまでおっしゃっていました。

イタリアングレイハウンド専門店「DOX of Italiano」のリュータローさんの犬舎では、過去に「急に海外転勤が決まった」「奥さんが急に倒れて介護が必要になった」の理由で2回キャンセルになった子がいました。この子はシンバくんと名付けられ、リュータローさんの元で伸び伸び過ごしています。

わたしがこれまで、誠実だと思ったブリーダーさんに共通していた点は以下です。

・ 繁殖責任者に直接会って話ができ、当人から犬を迎えることができる
・ 単犬種のみ繁殖。繁殖犬種を熟知していて、情熱が半端ない
・ 繁殖のみで生計が成り立っていない
・ 年間の繁殖数が少なく、常に子犬がいるわけではい予約制であること
・ 両親犬に遺伝子検査をしている
・ 子犬は生後約60日までは母犬と引き離さない
・ 子犬の引き渡し後も様々相談にのってくれる
・ 母犬の繁殖は年に1回のみ、また健康状態を見て休ませている
・ 繁殖を引退した両親犬はブリーダーさんの元で伸び伸び暮らしているか、引き取りたいという人に譲っている。
・ 取り扱い犬種の性質、病気、必要なお世話など良いことだけを言わず包み隠さず伝えている

リュータローさん
「他で迎えたときに「飼いやすいですよ、ゲージ入れてれば全然大人しいですよ、吠えないですよ、噛まないですよ、毛抜けないですよ」良いことしか聞いて迎えていないんです。僕は実は良いことはあまり言わないんです。大変ですよ、かなり運動量が必要ですよ、短毛ですが犬なので生え変わりの時はそれなりに毛は抜けますよ。僕(子犬を引き渡した後)追っかけますからね(笑)めんどくさー!でも、それでも「わかりました。どんな犬でも紹介してください。」って言っちゃうぐらいの人しか結果残らないんです。

リュータローさん

DOXさんからイタグレを迎えたい人は、事前にリュータローさんからの熱すぎるイタグレの説明に加えてDOXオリジナル「イタグレの歴史、理想の体型、性質・性格、病気、注意してほしいこと、お世話やしつけについて」が書かれた冊子を熟読する必要があります。

ブリーダーのM.Oさんは生計を立てるために、他でお仕事をされていますし、DOXさんもドッグフードやグッズ販売、ホテルやドッグランの運営が売上の軸です。お金儲け主義で子犬販売をしていないブリーダーさんは、ちゃんといました

繁殖は、本来プロの仕事であること

さらに、リュータローさんに繁殖のこだわりについてお聞きしました。

イタグレ

親の犬がアメリカチャンピオンまたは直子。健康体もさることながら、気品、サイズ感とバランス、すべてで世界最高峰レベルの親犬の子供達をお譲りしています。家庭犬をお迎えになる方に、AKCまたはJKCのチャンピオンだということはあまり関係の無いことなんです。でも僕ら繁殖側はそこにはこだわらないといけない部分だと思ってるんですよね。逆に、お客さんは(チャンピオンであるとか)こだわらないので健康な子を譲ってくださいという方達がいっぱい来てほしいんです。

納得して、DOXだったら元気だし、気品がいいし、迎えた後もね、穏やかに豊かなイタグレライフを過ごせるからDOXに行くってのは、なぜかと言ったら僕らが一生懸命アメリカチャンピオンを作出しているからなんですね。これがそうじゃなくなったり、どうでもよくなったら安心してイタグレライフを送れない犬を渡さなきゃいけないことになってしまう。これは安心にならないんですね。

実は僕らはお客様の見えないところではアメリカと密に連絡を取って、今ショードッグ達がどういう状況なのかとかあの子は今どのぐらいのポイント取ってるのかとか確認して、お客様に見せている顔と見せていない顔は全然違う顔です。本気です。費用もそれなりにかかります。でもそれが、お客さん達の幸せなイタグレライフに直結しているっていうのも分かっていただきたい。もちろん安全で綺麗な犬舎で繁殖するというところに力を入れてますが、まず第一に親犬がしっかりしたタイトルを取り、トレーニングして穏やかな性格になってもらい、その子達が繁殖に携わるということを大切にしています。

他にもDOXさんの犬舎では今まで送り出した子達の様子を家族の皆さんからヒヤリングし、記録してデータ化し、次の繁殖へとつなげています。また、このエントリーで遺伝病について書きましたが、もちろん遺伝子検査もちゃんとされているとのことでした。

M.Oさんもリュータローさんも、ブリーダーの使命は種の保存と犬種のスタンダードに沿った健康な犬を生み出すことだとおっしゃっていました。もちろん、犬は動物ですから病気はします。しかし、繁殖の段階で防ぐことができる病気があるのです。

誠実なブリーダーさんを応援したいと思った理由

このエントリーで、朝日新聞出版アエラ編集部が編集した保健所に犬を捨てる理由を紹介しました。もう一度ご覧ください。

1位:犬の病気・けが・高齢
2位:飼い主が病気・死亡
3位:転居
4位:鳴き声がうるさい
5位:人を噛む
6位:金銭的な問題

売り手が事前に犬についてしっかり説明したり、その後も相談にのってくれれば・・・迎える側が事前にその犬種について勉強していれば・・・1頭でも多くの子が幸せな犬生を送ることができるとわたしは思うのです。フランツみたいな子がいなくなるのです。

リュータローさん
「保護犬の活動をしないんですか?と聞かれるんですが、僕の使命はまずその可哀想な犬を出さないこと。それが家族5人でDOXや”Southern Valley”を運営している僕たちのマックスなんです。だから僕のところから犬を迎えなくても、僕に躾相談してきてくれた子はパーフェクトにサポートさせて頂きますし、愛犬にもオーナー様にも最高なイタグレライフをお送り頂きたい、という気持ちで取り組んでいます。」

ちなみに、リュータローさんの携帯番号は24時間つながります。悩み相談はいつでもどこでも何時でも受け付けるという、しかも無料です!また、DOXさんからイタグレを迎えた人でなくても快く相談にのってくださいますのでお困りの方はDOXリュータローさんまでご連絡ください。

まとめ

誤解のないようにお伝えしておきますと、犬を迎える人の選択肢として保護犬を見て欲しいというわたしの考えは変わりません。ただし、保護犬のような可哀想な子を出さないためにも、その手前で何とかできないのかと考えていた結果、誠実なブリーダーさんの存在は欠かすことができないと思いました。

わたし達ervaはこれまで通り、生体の展示販売をしているイベントやお店に出店や卸すことはありません。しかし、これを機会に少し上目線ですが誠実だとわたし達が判断したブリーダーさんとはお取り組みをします。ちなみに、生体の展示販売をするお店から迎えた子の存在やご家族の愛情を否定しているわけではありませんので、何卒誤解しないでください。

さて、こちらが今回当店のドッグスリングを販売していただくイタグレ専門店のDOXさん。こちらは、イタグレ専用会員制ドッグフィールド DOX Field “Southern Valley”の写真です。

ドッグラン

まだ開始時期は未定ですが、当店のドッグスリングが店頭に並びましたらこのページに追加させていただきますのでお楽しみにお待ちくださいねー!

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