JKCに聞いた、血統書発行の仕組みと意義。改めて勉強してみた結果

こんにちは!ドッグスリング専門店の黄瀬(@tommykise)です。
突然ですが、先日取材したブリーダーさんから「偽造されている血統書が存在する」という話を聞きました。JKCから発行される血統書については、偽造数もずいぶん少なくなってきたそうですが、血統書といえば恥ずかしながら、わたし自身は両親犬の毛色ぐらいしか見ていませんでした・・・。

というわけで、今回は改めて血統書発行の仕組みや意義について調べていきたいと思います。

そもそも血統書って何?

血統書とはそもそも何のために存在するのか、改めて勉強したいと思います。今回血統書の調査にあたっては、日本国内の純粋犬種の血統書発行のシェアが90%の「一般社団法人ジャパンケンネルクラブ(JKC)」に電話でお聞きました。

ちなみに、世界最古の畜犬団体はイギリスにあるザ・ケンネルクラブで、血統書を最初に発行した団体です。そこを発端に、世界にケンネルクラブが広がり、日本では1949年にJKCが設立されました。

まず、血統書の意義についてはwebサイトに分かりやすくまとまっていたので引用します。

血統証明書とは、一般社団法人ジャパンケネルクラブ(JKC)に血統登録された同一犬種の父母によって生まれた子犬に対して発行されるもので、人間に例えると「戸籍」のようなものにあたります。純粋犬種は、この血統証明書によって、本犬、両親から祖先まですべて同一の犬種であるということが証明されなければなりません。

つまりJKCの血統書は“純粋犬種”に発行されるもので、人間で言うところの「戸籍」だということが分かりました。血統書の詳しい見方はここに記載されています。

そして、もう1つ。
犬の血統書は人間の戸籍と違ってもう1つ重要な意味があります

犬種には、それぞれ理想の姿を定めた「犬種標準(スタンダード)」があり、固定された形態や特徴は、はっきり判別できるものでなくてはなりません。これらの形態や特徴はすべて両親から受け継いだものであり、またその両親も、それぞれの両親から受け継いできたものなのです。

純粋犬種の繁殖をする際は、優れた犬質の維持向上のため、生れた子犬が犬種標準により近くなることを目標にして繁殖計画を立てることが大切です。良い資質だけでなく、好ましくない資質についても、どの祖先より受け継がれているかを研究するため、両親犬だけでなく祖先犬にまで遡り、過去にどのような犬が繁殖に使われていたのかを知る必要があります。ここで重要な役割を果たすのが血統証明書です。血統証明書は、数代前の祖先まで遡って記載されており、交配相手を決める上で必要な資料となります。

JKCをはじめとする世界のケネルクラブでは、純粋犬種の血統を管理し、より犬質の高い犬を繁殖するために必要な祖先犬の情報を「血統証明書」という形で提供しています。

つまり、ブリーダーにとって血統書とは健康な犬を生み出すための設計図であり、世代を遡ることで生まれてくる子犬の色、個体の大きさ、健康状態等を予測して繁殖ができるわけです。

また、先日インタビューしたブリーダーのM.Oさんによると、飼い主が血統書を見ることでペット業界の健全化にもつながるとのことでした。

M.Oさん
「例えば、血統書を見れば両親犬の年齢が分かりますが母犬が10歳と記載されていることがありました。一般的に7歳がシニア犬と言われていますから、母犬の健康状態を無視した繁殖が行われていることが分かります。そういうことを指摘していくことで、ペット業界の健全化につながるんです。」

血統書ってどうやって発行されるの?

血統書

前述した通り、日本国内の血統書発行についてはJKCが90%です。
言うまでもありませんが、人間の戸籍は国が管理していて、子供が誕生してから親が役所に出生届を提出します。

で、
犬の場合この管理をする機関が例えばJKCで、登録申請するのがブリーダーになります。子犬の血統書申請・発行方法については、JKC犬籍部の担当に聞きました。

JKC犬籍部担当
「わんちゃんが生まれてからお住いの近くにある愛犬クラブを通して登録申請をしていただきます。繁殖者のJKCへの入会登録、一胎子申請書(8頭までの子犬の登録申請書)、繁殖者の犬舎名登録、交配相手の雄犬のDNA登録(雄犬所有者に依頼)が必要になります。」
※子犬の写真に関しては犬種により提出が義務付けられていますが、6頭以下はどの犬種においても申請する必要はありません。

以前は交配立会い人証明書・交配時や生まれた子犬の写真の提出が必須でしたが、現在では父親のDNA登録が義務化されているため、いざとなれば親子関係は化学的に証明されるので必要はないとのことでした。

以前あった血統書偽造についてはブリーダーM.Oさんにこんなお話を聞きました。

M.Oさん
「チャンピオン犬から生まれた子供が5頭だったとしても、8頭分申請しておいて、全く関係のない子の血統書として使い回すということがありました。」

JKC犬籍部担当によると、血統書の偽造防止のために血統書面に金箔のロゴ印刷をしたり、前述の通り雄犬のDNA登録を義務づけたり、事態が発覚した際内容によっては会員権利の停止(ドックショーの出場停止、血統書の申請など)といった対策をしているとのことでした。

努力の甲斐あってか、ブリーダーのM.OさんによるとJKCにいたっては、昔に比べて偽造がずいぶん少なくなってきたとのことです。

ただし、JKC犬籍部担当によると血統書はブリーダーとの信頼関係の元で発行しているということなので、様々な防止策は講じていますが最終的にはブリーダーさんが正直者か否かが重要なのです。

デザイン犬に血統書を発行する団体がある

M.Oさん
「わたしが知っている今ある血統書の偽造は、デザイン犬です。デザイン犬というのは日本古来から生き抜いてきた生命力の強い雑種ではなく、例えばポンスキー(ポメラニアン×ハスキー)など人間が作為的に繁殖させたF1種の犬のこと。

本来の血統書の意味を理解しないで、なんとなく「血統書付き=価値がある」と考える人がいるのでブリーダーがデザイン犬にも血統書をつけようとするんです。JKCの血統書を利用して両親犬のところだけくりぬいて、合体させて作ります。もちろん、両親の情報が正しい場合もあるし正しくない場合もありますがそれを証明することは難しいですよね。

そもそも血統書というのは純血種に発行されるものであって、デザイン犬には発行されませんから、JKCでは発行されないんですよ。デザイン犬に血統書を発行する団体はありますが、本来の意味を履き違えてますよね。」

そう言えば、以前ニュースで話題になってました。

「エリート女医2人を手玉に…「ランボルギーニ自慢」のニセ医者 〝イケメン結婚詐欺師〟の狡猾手口」

人間同士においても条件で結婚相手を選ぶ人がいます。もちろん選ぶ基準は人それぞれ自由ですが、条件ばかり見ているとそこにつけこむ悪人がいるということを知っておきたいです。

結婚詐欺はもちろん犯罪ですが、JKCの血統書偽造は公文書偽造になるので犯罪です。

公文書偽造(こうぶんしょぎぞう)とは、国や地方公共団体などの機関や公務員が作成する公文書を偽造・変造する犯罪です。【法定刑は1年以上10年以下】と意外と重い罰則が設けられています。

出典: https://keiji-pro.com/columns/100/ 刑事事件弁護士ナビより(検索日:2017/3/15)

デザイン犬の血統書にJKCのロゴマークがついている場合は完全にアウトなので弁護士に相談してとっとと悪徳繁殖業者を捕まえてしまいましょう。

まとめ:

改めておさらいです。

・血統書とは本来純粋犬種に発行されるものである。
・ ブリーダーにとっては健康な犬を繁殖するための設計図。

今回はJKCについて調べましたが、日本には他にも血統書発行団体があります。血統書の真偽については、どこの団体がどういった仕組みで発行しているのかを調べることは重要です。

JKCにおいては様々な対策を講じてはいますが、ブリーダーとの信頼関係においてブリーダーの申請通りに発行されるため厳密に言うとその真偽はブリーダーを信じるしかないということになります。

今回の調査を通してわたし個人の結論としては、純粋犬種を迎えたいなら血統書の情報だけで犬を迎えるよりも、犬との相性を最優先すべきではないかと思いました。

また、ペットショップなど中間業者を介して犬を迎えるよりも直接ブリーダーと話して信頼できる人かどうかを判断する方が安心だと感じました。念のためですが、ペットショップで迎えた犬やパートナーさんの愛情を否定しているわけではありませんので、勘違いしないでくださいね。まぁでも、いずれにせよ、血統書があってもなくても我が子は可愛いはずなんだと思いますが・・・・。

さて、以前のエントリーで遺伝病について書きましたが、愛犬達の遺伝子検査しました。そして結果出ました。近々遺伝病に権威のある獣医師さんに診察のアポを取り、遺伝子検査の結果と共にまたブログにしたいと思っています。診断結果には正直複雑になりましたが、きっと皆さんの役に立てるのではと思います。

それでは、今日も愛犬と最高の1日を!

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