犬と暮らすことは本当に健康なのか?興味深い5の調査結果

こんにちは!ドッグスリング専門店ervaの黄瀬(きせ)です。気候も徐々にあたたかくなり、愛犬とのおでかけモチベーションが高くなっている皆さまにお知らせです。

先日ユナイテッド航空にて同乗したフレンチブルドッグが亡くなるという痛ましい事故がおきました。

米ユナイテッド航空は13日、客室乗務員が乗客の子犬を頭上の荷物入れに収納するよう客に指示したところ、子犬が死亡してしまった問題で、非を認めて謝罪した。

ユナイテッドのpet policyには頭上の荷物入れに犬を入れなければならないという規約はありません。もちろん、ルールを守ることは重要ですが今回のような危険が及ぶ場合において従業員の勝手な要求を守る必要はないとわたしは考えています。あまりにも揉めそうな場合は降りるという選択肢もあります。公共機関を利用する際は必ずルールを確認の上愛犬との旅をお楽しみください!

さて今回は、犬と暮らすことで人は健康になる!とかねてからニュースで読んだり、愛犬家同士でも話しておりましたが、具体的に人間にどのような効果があるのかを検証調査した論文を探しました。興味深かったので皆さんにシェアしたいと思います。ではさっそく。

1 心血管疾患のリスクが減る

厚生労働省掲載の2017年度の人の死因順位を見たところ50歳〜89歳までの死因第2位に心疾患があり、90歳以上では1位でした。

ただし、2017/11/20CNNニュースによると、犬と暮らす人は心血管疾患のリスクが低いというのです!

For people living alone, owning a dog can decrease their risk of death by 33% and their risk of cardiovascular related death by 36%, when compared to single individuals without a pet, according to the study. Chances of a heart attack were also found to be 11% lower.

(参照元:https://edition.cnn.com/2017/11/17/health/dog-owners-heart-disease-and-death/index.html CNN 検索日:2018/3/19)

訳:
ペットと暮らす単身者とペットと暮らしていない単身者を比較すると、犬と暮らしている人の方が死亡リスクは33%減り、心血管関連死亡率は36%低下するという調査結果が出ています。心臓発作の可能性も11%低いことが判明した。

元になった論文はこちらですが、スウェーデンで340万人(40-80歳)を対象に調査したものです。さらに興味深いことに、犬種によってもリスクの差が変わり、

・ハンター系の犬種
例)テリア、レトリバー、匂い系で狩りをするハウンド(ビーグル、ダックスなど)

(参照元:https://www.flickr.com/photos/128606377@N02/16003932634/sizes/l flickr 検索日:2018/03/19)

と暮らす人は一番リスクが低いということでした。わたしの推測ですが、ハンター系は他犬種よりも運動量がかなり多く、人の運動量が必然的に多くなることが考えられます。わたしも保護犬ワイヤーフォックスがいた時や、現在の柴犬も運動量が多めなので登山に行ったり、とにかく運動させて発散させることを意識しています。

厚生労働省にも運動の重要性が書かれてありました。

身体活動量が多い者や、運動をよく行っている者は、総死亡、虚血性心疾患、高血圧、糖尿病、肥満、骨粗鬆症、結腸がんなどの罹患率や死亡率が低いこと、また、身体活動や運動が、メンタルヘルスや生活の質の改善に効果をもたらすことが認められている。

運動(散歩)する人ほど、リスクは下がるのです!

「犬と暮らせば健康になるので犬を飼いなさい〜!」とか言っている、犬の飼育頭数減少に焦った一部のペット業界の人を知っていますが笑 散歩をしっかりしなければこの恩恵は受けられないものと思われます。

2 血圧が下がる

アメリカはOregon State Universityの調査グループが国民健康栄養調査調査において60歳以上1570人を対象とした調査結果がありました。

At a scientific meeting this past fall of the Gerontological Society of America, a group of Oregon State University graduate students presented research that found that older dog owners have significantly lower levels of systolic blood pressure than people who don’t own dogs.

(検索元:http://www.dispatch.com/content/stories/local/2016/02/28/your-health/grab-that-leash-study-suggests-dog-ownership-helps-to-reduce-risk-of-heart-disease.html The Columbus Dispatch 検索日:2018/03/20)

訳:
オレゴン州立大学の大学院生グループは、60歳以上で犬と暮らす人が犬と暮らしていない人よりも収縮期血圧が有意に低いことを発見した研究を発表しました。

ちなみに、収縮期血圧とはコトバンクから引用します。

心臓が収縮したときの血圧。血液が心臓から全身に送り出された状態で、血圧が最も高くなるため、最高血圧とも呼ばれる。血圧値は血管の硬さ(血管抵抗)と血液量(心拍出量)によって決まる。血液の粘度が高くなったり、血管が硬化したりすると、血液が流れにくくなり、血管壁にかかる圧力が高くなる。140mmHg以上で高血圧と診断される。最高血圧。

つまり、血圧検査の時に、最高血圧(SYS)と最低血圧(DIA)と表示されていますが、この最高血圧が60歳以上で犬と暮らす人の方が低かったということです。

高血圧による病気のリスクは、国立循環器病研究センターに書いてありました。

高血圧はありふれた病気です。しかし、脳出血や脳梗塞などの脳卒中、心筋梗塞や心不全、不整脈などの心臓病、腎不全などの腎臓病、大動脈瘤や閉塞性動脈硬化症といった血管の病気など、種々の循環器病の重大な危険因子ですから侮れません。

ちなみに、厚生労働省に高血圧症を改善するための運動についてこんな記載がありました。

高血圧治療の基本は生活習慣の修正(運動療法・食事療法)と薬物治療があります。運動療法として、運動の頻度はできれば毎日定期的に実施し、運動量は30分以上、強度は中等度(ややきつい)の有酸素運動が一般的に勧められています。運動療法により降圧効果が得られ、高血圧症が改善されます。

1人で毎日30分運動は、正直続くか続かないか危ういところですが、、、
わたしの場合、愛犬の散歩は欠かすことができないので雨の日以外はほぼ毎日行っていますし、余裕で30分は超えます。走ったりもするので1日の基準値は余裕でクリア。実際わたしの血圧は高くありません。

3 ストレスが低くなる


こんな笑顔を毎日見ることができるわたしは、1日の中でほっぺがゆるむ回数が多く、一時期私生活が大変な時期がありストレスフルな1年を過ごしていた時も毎日愛犬達を抱きしめることで自分の心のバランスを調整していました。愛犬達には頭が上がりません。

実際に論文でも犬と暮らす人はオキシトシン「しあわせホルモン」がよく出るという調査結果はたくさんあります。たとえばこちら。

Then, ten years later, two South African researchers (Odendaal and Meintjes, 2003) showed that friendly contact between dogs and humans did release oxytocin in both. Then Miho Nagasawa’s research team in Japan (Nagasawa et al, 2008) showed mere eye contact between humans and dogs could cause an oxytocin increase in the dog owners. And most recently, Miller et al., (2009) showed an oxytocin increase in women after greeting their dog when returning home from work. (The men in this study did not get the boost).

(参照元:https://www.psychologytoday.com/blog/made-each-other/201005/dog-good Psychology Today 検索日2018/3/19)

訳:10年後、南アフリカの2人の研究者(Odendaal and Meintjes、2003)は、犬と飼い主の好意的なコミュニケーションにおいて、双方にオキシトシンが出ると提示した。その後、Nagasawa Miho日本研究チーム(Nagasawa et al、2008)は、人間と犬がアイコンタクトをすることで、飼い主のオキシトシン増加が見られたと発表。そして、最近、Millerら(2009)は、仕事から家に帰るときに犬に挨拶した後、女性にオキシトシンの増加を示しました。 (この研究では男性の増加は見られなかった)。

ただし、犬と飼い主の関係が良い場合において、結果、オキシトシン値は上がるのであって、オキシトシンを出したいがために犬を見つめるなんて考えにはならないでください。(たまに本気でこんな人がいるので・・・ペット業界の一部の人とか笑)

こちらの論文がそのように言っております。スウェーデンにあるUniversity of Skövdeの生物調査センターでの実験結果です。

The correlation analysis showed that higher oxytocin levels in the owners were associated with greater frequency in kissing their dogs and a perception that looking after their dog was not difficult. It also showed that lower cortisol levels in the owners were associated with a perception of being less bothered about the dog stopping them from doing things, a greater frequency in bringing their dogs when visiting people, and a perception that the dog’s death would be traumatic. Taken together, these results indicate that high levels of oxytocin and low levels of cortisol in dog owners are related to owners having a perception of the relationship with their dogs as pleasant and interactive and associated with few problems.

(参照元:https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.2752/175303712X13316289505468 Taylor & Francis Online 検索日2018/3/19)

訳:
相関分析によれば、人のオキシトシン値が高いほど、犬にキスする頻度が高く、犬を飼うことは困難ではないという認識があることが分かりました。また、犬が自分の行動を妨げることが少ないと感じ、犬を連れ出す頻度が高く、犬の死がトラウマになるという認識の人はコルチゾールのレベルが低かった。まとめると、これらの結果は、人における高レベルのオキシトシン、および低レベルのコルチゾールは、犬との関係を心地よく快適であると認識し、犬との生活に問題が少ない人に見られることが分かった。

調査対象は、10組のラブラドールレトリバーとその飼い主で、数が少ないため参考程度にはなりますが

犬と暮らすことは人が癒されるだけでなく、毎日お散歩に行ったり、ご飯をあげたり、爪切り、トリミング、お風呂など細かいお世話が必要となります。赤ちゃん期や老犬のお世話も自分の1日の計画がそっちのけになるくらい大変な時だってあります。そんなこともひっくるめて愛犬が好き!という人ほどオキシトシンが放出されてしあわせな感覚になり、ストレスレベルも減少するということでした。

オキシトシンについてさらに詳しく読みたい方は、麻布大学の教授で動物行動学専門の菊水教授の著書がおすすめです。飼い主と愛犬が見つめ合うことでオキシトシンが出る調査は麻布大学が実施したもので、詳細も書かれてあります。

4 心拍数が落ち着く=リラックスする

オキシトシンは心拍数も下げるのです。長崎甲状腺クリニックさんによりますと、

オキシトシンは脳下垂体後葉から分泌され、愛情ホルモンと呼ばれます。分娩時の子宮収縮、乳汁分泌、ストレスホルモン[副腎皮質ホルモン(コルチゾール)]を減らし血圧下げ、心拍数減らす、相手への愛情や信頼感を生じさせる作用があります。

(検索元: https://www.nagasaki-clinic.com/oxytocin/ 長崎甲状腺クリニック 2017/03/19)

なので、「1 心血管疾患のリスクが減る」 の結果で書いたように、犬と暮らしている人の心血管関連死亡率が低いのも納得です。

また、調査対象人数が3人&3頭なので紹介するのは微妙だとは思いましたが・・・
愛犬家のみなさんは、きゅんきゅん&うるうるするような実験動画だったので紹介します!これはオーストラリアのメルボルンにあるMonash Universityの調査グループによって実施された実験ですが、

飼い主と犬が離れた場所にいる時と、一緒にいる時の心拍数の変化を調査しました。結果、速くなっていた心拍数は、お互いが近づいた途端減少し、しかも同調していくのです(お互いがリラックスした状態になる)!!英語ですがご覧ください。1分45秒あたりから調査の様子と結果を確認することができます。

ちなみに心拍数が高いとこんなリスクが考えられるみたいです。

脈が速いと死亡リスクが高くなるとの研究報告が国内外にいくつもある。東北大学の研究グループは2004年、岩手県大迫町(現在は花巻市)の追跡調査で、血圧が正常でも心拍数が1分間に70回以上の人はそうでない人よりも心臓病による死亡リスクが約2倍になる、と公表した。
米国の高血圧患者約4500人を36年間追跡した調査では、心拍数の増加に伴い心臓病死する割合が高くなった。心拍数の減少で様々な病気による死亡率が減るというイタリアの報告もある。

(参照元:https://style.nikkei.com/article/DGXDZO14484680R10C10A9MZ4001 NIKKEI STYLE)

もちろん、運動すれば心拍数が高くなることは正常ですが、常に上がりっぱなしは危険信号ということです。さぁ、みなさん、愛犬に感謝いたしましょう。

5 子供のアレルギー疾患の可能性を低下させる

最後に、
2004年にアメリカはUniversity of Wisconsin-Madisonの小児科の調査グループによって公開された285人の幼児を対象とした調査結果をご覧ください。元の論文よりも、Medical Dailyの方が分かりやすくまとめていたのでこちらを紹介します。

A 2004 study published in The Journal of Allergy and Clinical Immunology found exposure to dogs in infancy, especially around the time of birth, can actually influence children’s immune development while reducing the probability of certain allergic diseases. Children who had a dog at home as newborns were much less likely to have atopic dermatitis and wheezing by their third birthday compared to non-dog owners.

訳:
The Journal of Allergy and Clinical Immunologyに掲載された2004年の研究では、幼児期、特に出生時に犬と一緒に過ごすことで、特定のアレルギー疾患の確率を低下させ、子供の免疫発達に影響を与える可能性があることが分かりました。新生児のときから自宅に犬を飼っていた子供は、犬がいない世帯と比較して、3回目の誕生日にはアトピー性皮膚炎と喘鳴を起こす可能性がはるかに低くなりました。

また、BBC NEWS JAPANにも興味深い調査結果が掲載されていました。

子どもの頃に犬を飼うと、ぜんそくリスクが低下と – BBCニュース

スウェーデンで65万人を対象にした大規模調査で、犬を飼っていた家庭で幼少期を過ごした子どもがぜんそくになるリスクは、犬がいなかった子どもよりも低いことが分かった。

調査によると、0歳から1歳までの間に犬を飼っていた家庭で育った子どもは、7歳になった時点でぜんそくを発症する可能性が13%低かった。研究をまとめたスウェーデンのウプサラ大学のトーブ・ファル教授は、調査結果が、幼少時にある程度のちりやほこりに接触することは一般的なアレルギーの抑制効果を持つという「衛生仮説」に合致すると指摘した。

ファル教授は「妊娠している、あるいは子どもを作ろうとしていて、犬を飼いたいと思っている人にとって、これは大事な情報だ。心配しなくてもいいということなので」と語った。

ただし、すでに幼児にアレルギーがある場合において、あとから犬を家に迎え入れることで幼児のアレルギー対策になるといった調査結果ではありませんのでご注意を

まとめ

実は、アメリカの大学には生徒のストレス対策としてセラピードッグがいる学校があります。

(参照元:https://www.nbcnews.com/feature/college-game-plan/campus-therapy-dogs-offer-helping-paw-stressed-students-n556576 NBC NEWS 検索日:2018/03/20)

上記の写真はOklahoma State Universityですが20頭のセラピードッグがいます。アメリカでは、わたしの在学していた大学Centenary Universityも含め、生徒のストレスを軽減できるように様々な対策を実施しています。例えば、期末テスト時期にはStress Relief Weeksといって生徒のストレスがピークになるであろう時期に学校側が特別なディナーを用意してくれたり、キャンディーが配られたり様々なイベントがありました。わたしの大学には犬はいませんでしたが。うらやましい!!

以前のエントリーでも紹介しましたが、ストレスを下げる力が犬にはありますので

ワンコ好きなら一緒に働きたい!社員犬として働くワンコたち

やっぱり職場に犬連れOKにするのは相当なメリットあると思いますよ!経営者の皆さんご検討ください。

ちなみに、今回紹介した実験調査結果は犬嫌いの人への影響については書かれてありませんでした。また、以前のエントリーでも書いたように

【追記あり】高齢者の健康のために犬との暮らしをすすめることの違和感について

健康になりたいから、社会との関わりを持ちたいから、という理由が先にあって、健康器具を買うかのように犬を迎え入れることはやめましょう。人にも人権があるように犬も犬らしく生きる権利がありますので。

健康と言えば、
下記の本を読んで抗酸化検査をしました。すると、わたしの体内はアスリート並みに酸化していないことが分かり、先生も驚かれていました 笑 日頃から食には気をつけていますが、数値化されると自信がつきます。どうぞお試しあれ♪