若造が生意気言っちゃうよ!わたし達が大切にしている商品づくり5か条

ドッグスリング専門店ervaの黄瀬(きせ)です。わたしの以前の職場は家業である黄瀬商事(株)で、キューズベリーというブランドで主に人間の赤ちゃん用スリングや抱っこ紐を企画・販売するメーカーに7年おりました。(今は抱っこ紐が主流)

そして2年半前に起業したわけですが、わたし一人ではなく革小物メーカーであるwhole grain MUSTARDの代表金谷と共にervaを運営しております。

商品企画は主に金谷が担当しており、自身のブランドを立ち上げる前は、誰もが知っている某有名スポーツメーカーやアパレルブランドのバッグをつくる会社でデザイナーとして働いていました。

お正月に改めて自分に気合いを注入するという意味で

使命のために必死にブログやSNSをした結果、アクセス数4倍以上&店舗をはじめたら沢山の方が来てくださり涙

を書きました。本記事はその続編となり、わたし達のものづくりの指針について再確認する意味も込めて書いていきたいと思います。(注意:若造がペラペラ言っております)

1 自分が使ってみて良いものだけを商品化する

わたし達は商品化するまでに何度も自分達で使用し、使い心地を確認します。ボツになったものは数知れず、納得がいかないものはお蔵入りとなります。

こんなこと当たり前だ!という声も聞こえてきそうですが・・・
金谷がサラリーマン時代に勤めていたバッグのOEM会社では、エンドユーザーというよりはメーカーがお客様です。値段も素材もほぼ決まっている中でデザインをしていました。そういった環境では自分が本当に良いと思ったものが世に出ることはなかったそうです。

もちろんその環境が悪かったと批判しているのではなく。より多く一般の人に好まれる配色や形を勉強し、多種多様なバッグ(ショルダーバッグ・リュックサック・ボストンバッグ等)やケース(水筒ケース、サングラスケース等)の基本的な構造、そして縫製工場とやり取りした経験は現在の金谷の基盤となっています。


※当時金谷が描いていた手描きのデザイン画です

まず自分達でサンプルを使ってみるということは、すぐに商品化できる場合もありますし、長い間試行錯誤することもあります。ビジネス的には資金のことを考えると、早期企画・商品化・回収というのがもちろん効率は良いのですが、自分達が自信をもってお届けしたいのでここは絶対に妥協することはできません。

2 時流に乗る

自分達が良いと思ったものをただ商品化しているわけではありません。一概に「自分達にとって良いもの=現在の世の中にとって良いもの」ではありませんので色んな人にヒヤリングしたり、市場調査をします。このエントリーでも書いたように外飼いが主流で家族というより家畜の認識が強かった2002年以前では、わたしがどれだけ犬に貢献したいという熱意の上でドッグスリングを販売しても見向きもされません。

はっきり言って犬達に恩返しすることができれば何を販売しても良かったのですが、ドッグスリングを選んだには理由があります。

大前提として、自分がキューズベリー時代に人間用のスリングを愛犬達に使っていて、とても便利だったこと。自転車通勤、病院、マンションの共用エリア等、愛犬達との移動にかかすことができませんでした。

わたしがスリングを使っていると「どこで売ってるの?」「欲しいー!」とよく声をかけられました。そして、当時自分が人間用の抱っこ紐やスリングの企画に携わり販売していたこともあり、これなら自信を持ってつくることができる。市場調査をしたところ非常にニッチではありますが、ニーズがあるとも確信しました。

時流に逆らわないよう、ニュース等をチェックしたり実店舗やイベント出店を通して犬達や家族の皆さんとコミュニケーションし、より深く理解するように努めています。

3 要素をできる限り削って本質を残す

わたし達が目指しているのは、

余分な装飾を一切排除して
無駄のない構造を追求すること

で、つまり”シンプル”がかっこいいと考えています。

例えば当店のドッグスリングは6サイズ展開ですが、「調節できるようにしてほしい」とお客様よりご要望をいただくことがあります。しかし、ここにわたし達のこだわりがあります。実はわたし達にとっても調節具をつける方が効率的で、決まった1サイズだけを生産すれば、職人さんとのやり取りや縫製も簡単で生産効率も上がりますし、在庫リスクも大幅に軽減できます。しかし、

本当にこの機能(調節)が必要なのか・・・?

日常生活においてドッグスリングは頻繁に使うものではありません。使わない時が多いからこそ、小さくまとめられてコンパクトになることが重要。素足で歩く犬を抱っこするため当たり前に汚れることを考えると、洗濯機でガンガン洗える必要があります。自分のサイズにぴったりあったドッグスリングは着脱も非常にシンプルで簡単です。結果、わたし達のドッグスリングは調節具をつけないことにしました。

もちろん、ものづくりには様々な考え方がありますので正解も不正解もありません。お客様の好みも様々です。その上でわたし達が思うかっこよさを追求していきたいと考えています。

4 商品を改良し続ける

もちろん、現在販売しているドッグスリングは自分達が考え抜いて自信を持って販売しています。しかし、実際に使っていただいて犬達や家族の皆さんからフィードバッグをいただいたり、さらに自分達が使い続けていく中で感じたことはすでに何度も改良しています。(本当に細かいところなのでパッと見では分からない部分が多いですが)一旦完成させたからといって思考停止するわけではなく、考え続け、進化していくことでさらに犬達や家族の皆さんにベストなものをお届けしたいと思っています。

5 可能な限り日本製でつくる

近江商人の極意で有名な「三方よし」という言葉があります。この3というのは「売り手よし」「買い手よし」「世間よし」です。「世間よし」において、ドッグスリングを販売させていただく上で必要な生地屋さんや資材屋さん、縫製工場さん、物流会社さんなど、持ちつ持たれつで事業を展開しているわけですからこの方達の発展無くしてわたし達はありません。

日本製でつくりたいという一番の理由は、日本のものづくり経済に少しでも貢献したいと思っているからです。

ちなみに、商品に使う生地や縫製技術において海外製だから悪いということは全くなく、仕入先や工場によって品質は様々です。わたし達としては、国内のものづくり経済に微力ながら貢献することが第一優先ですが、実際にお客様に販売する際にあまりにも価格が高くなってしまうような場合においては、海外で仕入れ・生産ということも視野に入れています。

まとめ

ervaがスタートして2年半が経ちました。これまでイベントなどで実際にたくさんの犬達と家族の皆さんにお会いする中で、新しい商品のアイデアがどんどん膨らんでいます。現在わたし達はドッグスリング のみを販売していますが、今後は少しずつそのアイデアを形にし、「犬と移動するグッズ」に特化して商品を展開していきたいと思っております。

すべてはわたし達の使命のため、まだまだ未熟ですが、犬達や皆様に教えていだきながら、進化していきますよー!!

先日師匠に勧められて読みました。
TVドラマにもなっていたのであまり期待していませんでしたが、かなり現実的で、よくあるウケを狙ったようなハッピー話は描かれていません。何度も大きな壁にぶち当たる主人公に自分を重ねながら、経営する難しさや楽しさを改めて知り、人とのつながりの大切さに改めて気付かされました。ものづくり関連の方は特におすすめですよー!