こんにちは!ドッグスリング専門店ervaの黄瀬(きせ)です。FacebookInstagramでは報告済みですが、保護犬のオチョは無事里親さんが決まりました!!パチパチパチ オチョは見てのとおりMIXです。(当エントリーでは、混血種・純血種同士の掛け合わせ共にMIXIと表現します) 見た目がマルチーズっぽいとか、トイプードルっぽいとかであれば成犬になっても中型や大型サイズになることはありません。しかし、オチョのように混血種で何が入っているのか分からない子は、成犬サイズに予測がつかず、里親さんには獣医師や保護団体の今までの経験則でお伝えするしかありません。 また、純血種なら似たような病気になるので、ご近所さんとか相談相手も多いですが、MIXはなかなか事例もなく迷われる方も多いはず。 で、そんな時にたまたまこの動画を見ました。 内容をざっくり言うと、 @jordankahanaさんが車旅の途中、2頭のMIXI犬達をレスキューして我が子に迎え、散歩していると色んな人に「何犬なの?」とよく聞かれていたので、DNA検査で調べた→結果、何犬の血が混じってるのかや、成犬時の体重まで分かったということ。 え!?DNA検査で体重も 何犬が混じってるかも分かるですと!? 以前、遺伝病について調べた時に遺伝子検査についても書きました。遺伝子検査はどうやら遺伝病だけでなく、成犬時の体重や何犬の血が混じってるかまで分かるらしい・・・!! ってなわけでやってみました。

DNA検査やってみた!成犬時のオチョの体重は?

DNA検査は動画で紹介されていたEmbark(英語サイトのみ)を使いました。Embark以外にも色々ありましたが、Webサイトを読むとアメリカのアイビーリーグ(名門校)の一つであるCornell University College of Veterinary Medicineとパートーナーを組んでいることと、人類学者であり、遺伝学者でもあり、ナショナルジオグラフィック協会のジェノグラフィック・プロジェクトのプロジェクト・ディレクターでもあるSpencer Wells(スペンサー・ウェルズ)さんが設立したということで、やっぱりEmbarkにしました。 方法は、webサイトからDNA kitを注文するだけ。 ネットで注文してから大体1週間ぐらいで届きました。 付属の綿棒で口内を軽く擦ります。 わたしの愛犬達もやりましたよ(オチョの写真撮るの忘れてしまったっ!!) 最後に、Embarkのwebサイトにて自分のアカウントを作って、オチョを登録し、DNA kitに振り当てられている番号を入力します。 あとは、DNA kitをアメリカに送り返して結果を待つのみ・・・・ドキドキ そして・・・・ 約1ヶ月が過ぎ・・・・ 結果が出た!! *結果は書面が送られて来るわけではなく、Embarkのwebサイトにログインして閲覧します。 □ オオカミ度:3.0% □ 成犬時の体重(推定):58lbs *約26kg *遺伝子年齢(Genetic Age)は誕生日の分かっている子だけしか分かりませんが、オチョは乳歯で誰がどう見ても赤ちゃんなので予測で入れています。 すごっ!!! でも、いやいや、本当に合ってるのかよ。 ということで、うちの子達の結果もご覧ください。 □ 成犬時の体重(推定):17lbs *約7kg 実際は、9kg。 □ 成犬時の体重(推定):20lbs *約9kg 実際は、8kg。 すすすすすすごい!! 体重は環境要因で変わる(いっぱい食べさせるとか)ことは念頭におくべきですが、ほぼ合ってます。

オチョの犬種はなんだ?

そして、気になるオチョの犬種ですが、 イースト・アジアン・ビレッジ・ドッグ イースト・アジアン・ビレッジ・ドッグ・・・・??? なんじゃそりゃ。 Embark によると
Village dogs are the free-breeding, free-roaming “outside” dogs found around the world living in and around human settlements big and small. They are also known as island dogs, pariah dogs, or free-ranging dogs. Many village dog populations precede the formation of modern breed dogs. They make up about 3/4s of the billion or so dogs living on Earth today.
<訳> Village dogsは、世界中で見られ、人間に飼われているわけではなく、人間の住む場所で自由に歩き回っています。彼らはisland dog(島の犬)、pariah dog(パーリヤドッグ)、または放し飼いの犬としても知られています。多くのvillage dogsは現代の人間によって繁殖された犬種の先輩にあたります。Village dogsは現在地球に住んでいる犬約10億頭の犬の約3/4を占めています。
つまり、オチョは生粋の野犬。 はじめオチョを見た時は、ハスキー入ってるのかな?とか考えていましたが、この考えは逆で。犬の繁殖の歴史を考えると、純血種は人間の手によって野犬から品種改良されたわけで、オチョは純血種達の先輩でした。 だから! オチョのオオカミ度は3%!!! Embrakの説明によるとほとんどの子は1%かそれ以下なので、3%はかなり高い。以前「オオカミの遺伝子にもっとも近い犬。それはなんと、皆さんの身近にいたあの子だった」のエントリーで柴犬が一番オオカミに近いという話を書きましたが(あくまでも純血種の中での話)気になったのでEmbark上で柴犬を検索してみました。(Embarkでは他の子のDNA検査結果も閲覧できます) この子とか1% (Midium) https://my.embarkvet.com/dogs/cilantro この子は2.5% (High) https://my.embarkvet.com/dog/moana9#summary この子は4.2%!!(High) https://my.embarkvet.com/dog/shiba ふむふむ。柴犬の中でもオオカミ度が低い子や、野犬よりも高い子もいるんですね。確かに、歴史から考えると、オオカミ度が強い子や弱い子がランダムに繁殖しているので、この結果は納得。ちなみに、我が子プードル達は0.6%(Low)。 オオカミ度が高いオチョにはしっかり、狼爪がありましたよ!。 でも写真撮ってなかったー!!!!ギリギリ分かる写真載せときます・・・赤↑部分。 かっこいいなー!!! わかりにくいなー!!!笑 ちなみに、純血種の掛け合わせのわんこ達はこんな結果を見ることができます。(参照元:https://my.embarkvet.com/dog/buster#summary) 24.5% ダルメシアン 21.2% ラブラドールレトリバー 12.8% チャウチャウ 13.5% ロットワイヤー 14.4% ゴールデンレトリバー 9.3% シェルティ 4.3% ブルドッグ 家系図はこんな感じ。 我が子の歴史が知れるなんて感動〜!!! 我が愛息子達は、もちろん全部プードルでした。 オチョはEast Asian village dogということでしたが、犬は、純血種であってもMIXであっても、遠い祖先が共通していたり、純血種と野犬の間に生まれた子がいたりするので、お互いDNA共通部分があります。なので、Embarkの結果言わくオチョさんは、 ・秋田犬 ・ジャーマンシェパード ・紀州犬 ・柴犬 と共通するDNAを持っているとのことです。

共通するDNAを持つ、オチョの親戚達がこちら

Embarkでは、親戚の子も見ることができます。例えばオチョと2.4%ほどDNAが共通しているこの秋田犬の子とか毛の感じがそっくりw すてき〜!! (参照元:https://my.embarkvet.com/dog/pawlee) 他にもこんな子達が〜! みんな黒白〜!!! なんか感動っ!!

遺伝病のリスクは?

そして気になる遺伝病のリスクですが、、、 左から、 □リスク 0 □キャリア(遺伝病の原因となる因子を持つ) 1 □クリア(問題なし)168 リスクなーし! ですが、進行性網膜萎縮のキャリアでした。でも、進行性網膜萎縮は”劣性遺伝”なので本人に発症はしないし、子供を作るわけでもないので特に問題ありません。 Embarkで検査できる遺伝病はここで一覧を見ることができます。ちなみに参考までに、純血種だと、遺伝子検査の会社Veqta(日本)の「犬種毎の遺伝性疾患」で確認できます。 ただし・・・! 2005年に犬の全ゲノム(遺伝子全体のこと)解析が解明したとはいえ、どのゲノム配列が何を意味するのか分かっていない部分も沢山あり、まだまだ研究途中。なので、Embarkで提示された遺伝病以外にも近い将来アップデートがあって、新しい項目が追加される可能性があります。そこもEmbarkの良いところで、Embarkで1度検査をしておけば、我が子の情報もアップデートされます。 ちなみに、東京大学の渡邊学博士の論文「イヌゲノム研究の現状と課題と展望-イヌと起源、形質、遺伝病、がん-」に掲載されていた、OMIA(nline Mendelian Inheritance in Animals)によると現在分かっている犬の遺伝病は720種類!! それを考えるとEmbarkの検査項目数少ねっ! と思うのですが、以前人間の遺伝子カウンセリングを受診した際に、遺伝子カウンセラーから聞いたのは「遺伝病の中でもレアなものもあるので検査機関によっては項目を省いている」とのことでした。 で、ちょっとわたしが色々書きすぎて 分かんなくなっちゃた人は、 とりあえず、「at Risk (リスク)」に表示があれば、その名前を日本語訳して、どんな病気なのか調べて、症状が現れる前に、獣医師さんに相談してください! 病気になる可能性が事前に分かっていたら、貯金も、保険も、獣医師探しも余裕をもって準備できます

まとめ

Embarkによると、残念ながらDNA検査ではまだ 実年齢 は分からないとのことです。でもでも、研究中ということなので未来に期待。 ちなみに、人間のゲノム解析は2000年6月に当時のアメリカ大統領のクリントンさんが人類の全ゲノムが解明したことを発表しています。 犬同様、まだまだ研究途中ですが、2005年にアンジェリーナ・ジョリーさんがDNA検査の結果、乳癌のリスクが高いことが分かり、発症前であるにも関わらず、両乳房を切除したのは衝撃的なニュースでした。 女優アンジェリーナ・ジョリーさんの告白によって注目を集める「遺伝性乳がん・卵巣がんと遺伝子検査」
アメリカを代表する女優のアンジェリーナ・ジョリーさんが「がんを予防するため両乳房を切除した」という衝撃的な話題が飛び込んできたのは、2013年5月だった。なぜ健康な状態にもかかわらず乳房の切除を決断したのか。彼女の場合、BRCA1という遺伝子に変異が見つかり、その結果、生涯で乳がんが発症するリスクが87%あるとの診断を受けたという。
もう近い将来、個人が自分の遺伝子解析データを持って、それを医療に生かす時代がくるかもしれませんっ!! っと、遺伝病を知ることももちろん大切ですが、愛犬達もわたしも日々健康な生活をすることはとても重要なので、最近グルテンフリー生活をはじめました。 人間用のラーメンですが、(グルテンフリーのラーメンとしては)めちゃくちゃ美味いです!出汁は9種類の魚介と昆布と椎茸を使っていてかなり贅沢。麺は、きび・ひえ・あわなどの雑穀を使っています。健康志向の方にはおすすめですよ!!