こんにちは!犬の抱っこ紐(ドッグスリング)ブランドervaの黄瀬(きせ)です。わたし達erva/エルバは、【日本で唯一】の犬用抱っこ紐(ドッグスリング)ブランドで、6年以上抱っこ紐のみを研究してきました。「人間の赤ちゃん用抱っこ紐」のメーカーの経験と「スポーツバッグやアパレルのバッグ」のデザイナーがタックを組んで開発しています。
愛犬と電車に乗ることができれば、行動範囲は確実に広がります。旦那さんに「車出してください(ペコリ)」なんて気を使う日々も半減!もしくは終わるかも?そもそもわたしはドッグスリングを取り扱う前は、まさか愛犬と電車に乗ることができるなんて知りませんでした。
今はというと、こんな感じで一緒に乗車することが多いです。旦那さんと喧嘩をすればそそくさと実家に帰ります。
はじめて愛犬と乗車する方は「愛犬の反応」「周りの人の反応」気になりますよね。そこで、今回はわたしの実体験を交えながら「愛犬と電車に乗る際のルールやマナー、注意点」をまとめて紹介します!
(*残念ですが、鉄道会社のほとんどが身体の大きい中型犬や大型犬は乗車できません。)
<目次>
そもそも犬を電車に乗せていいの?
ervaチームで調べた限り(詳細は完了次第報告します)、ほとんどの鉄道会社は犬と一緒に乗車することは可能です。ただし、鉄道会社によってドッグキャリーの形やサイズが決まっていたり、運賃が発生する場合もあります。自分の乗りたい路線のルールを確認する方法は、各会社の「手回品」規定をググってチェック!
で、
「手回品」って、ん? と思った方。
実は、日本の法律では犬は「物」として扱われています。もちろん動物愛護法は制定されているのですが、刑法で犬は「飼い主の財産=物」として認識されているため、鉄道会社では「手回品」と表現されています。愛犬を我が子(もしくは、親友・弟・妹)のように可愛がっているわたし達からすると「なぬ!?」と思わず熱くなってしまいますが・・・!
電車に乗せる前の5つの準備!
「わ〜い!愛犬と電車に乗れる♪」
なんてうれしい気持ちは分かりますが、これだけは知っておいてください!
・世の中には犬が嫌いな人もいる
何の準備もなく電車に乗り込もうとしたらトラブルに巻き込まれてしまうかもしれません。「楽しいお出かけがトラブル続きで台無し!」なんてことにならないよう、ぜひ準備は万端に!
【準備1】鉄道会社のルールを調べよう!
鉄道会社によってルールは異なります。JRのように犬に対して厳しい規則を定めている会社もあれば、わたしがいつも乗っている大阪の市営地下鉄のように優しい会社もあります。下記ランダムに例を上げておきます。
■ JR
[料金] 280円
[参考サイト] 持ち込めるもの
[規約]
・ 小犬、猫、鳩またはこれらに類する小動物(猛獣やへびの類を除く)で、
○長さ70センチメートル以内で、タテ・ヨコ・高さの合計が90センチメートル程度のケースに入れたもの
○ケースと動物を合わせた重さが10キログラム以内のもの
・ 手回り品料金は、1個につき280円です。ご乗車になる駅の改札口などで荷物をお見せのうえ、普通手回り品きっぷをお求めください。
[問い合わせ先]
○JR北海道
TEL:011-222-7111(6:30~22:00)
○JR東日本
TEL:050-2016-1600(6:00~24:00)
○JR東海
TEL:050-3772-3910(6:00~24:00)
○JR西日本
TEL:0570-00-2486(6:00~23:00)
○JR四国
TEL:087-825-1649 (9:00~18:00/平日)
○JR九州
TEL:050-3786-1717(8:00~20:00)
■ 東京メトロ
[料金] 無料
[参考サイト]車内に動物を持ち込むことはできますか?
[規約]
子犬、猫、鳩その他これらに類する小動物(猛獣及びヘビの類を除く)は、長さ70センチメートル以内、縦・横・高さの合計が90センチメートル程度の容器に収納し、重量が10キログラム以内のもので、他の旅客に危害を及ぼしたり、迷惑をかけるおそれがないと認められるものに限り持ち込むことができます。
[問い合わせ先]お客様センター
TEL:0120-104-106 (9:00~20:00/年中無休)
■ 名古屋市交通局(地下鉄)
[料金] 無料
[参考サイト] 地下鉄について/質問14
[規約]
・ペットは、地下鉄の運行上支障がないと認められる場合に限り次の条件を満たしている場合にはお客さまといっしょにご乗車いただくことができます。
・少数量の小動物でケースに入れる。
・長さ2メートル以内で、縦・横・高さの合計が250センチ以内のケースに入れる。
・ケースと動物を合わせた重さが30キロまでであること。
・ケースの数は2個までであること。なお、手回り品料金は、不要です。
[問い合わせ先] 市バス・地下鉄テレホンセンター
TEL:052-522-0111(受付時間 8:00~19:00)
■ 大阪市交通局(地下鉄)
[料金] 無料
[参考サイト]大阪市/愛玩用小動物の扱いについて
[規約]
・大阪市交通局では、地下鉄・バス・ニュートラムで、以下の基準により愛玩用小動物(ペット)の持ち込みを認めております。
・専用ケージ・ペット用キャリーバッグ等、持ち運びに適当な蓋が出来る容器に入れたうえ、体毛などの飛散を防ぎ、他のお客さまから姿が見えないよう、容器を布で覆うなどの対応をお願いいたします。
・蓋が出来、ペットの姿が周りから見えない状態にする
・ペットカート・ペットバギーは、カバーの大部分が不透明であり、車内で転回可能な大きさのものなら可能。
・トートバッグなど、蓋がない鞄で、ペットの頭や足を出した状態での持ち込みはご遠慮ください。
[問い合わせ先] Osaka Metro・シティバス案内コール
TEL:06-6582-1400(受付時間 8時00分~21時00分/年中無休)
*最新の情報は必ず鉄道会社にお問い合わせください。
「鉄道会社名+手回品+ペット」とかでググるとでてきますよ!
【準備2】キャリーグッズを用意しよう!
利用予定の鉄道会社のルールを調べたら、その電車で許されている愛犬を入れるケースやバッグを用意します。硬いハードケース(クレート)やバギータイプの物、鞄型のキャリーバッグ、全身が隠れるタイプのドッグスリングなど、それぞれ基準に沿った種類のキャリーグッズの中からお気に入りのアイテムを見つけてみて下さい。
電車で利用できるキャリーバッグは大きく分けて、5つ。それぞれのメリット・デメリットを書き出してみました。
■ ハードクレート
例えばこんなやつです。
○ メリット
・布製のキャリーに比べて丈夫
・新幹線の移動時にも使える(ただしタテ・ヨコ・高さの合計が250センチ(長さは2メートルまで)以内で、重さが30キロまで)
・家でドッグハウスとしても使える
・ほとんどの電車で使える形(念のために乗車希望の鉄道会社要チェック!)
○ デメリット
・かさばる
・本体が重い
・持ち手を両手で持つため、体重の重たい子ほど長い時間は疲れる可能性あり
・両手が空かない
■ トートバッグ
ジッパー付きで愛犬の顔ごと、すっぽり隠せるものが多いですが稀に蓋付きでないものもありますので要確認。
○ メリット
・ハードグレートに比べて生地なので愛犬の肌当たりが良い
・あまり目立たない
(普通のトートバッグと見た目が変わらないため、より犬の存在感を無くすことができます。吠えれば別の話ですが)
・ほとんどの電車で使える形(念のために乗車希望の鉄道会社要チェック!)
○ デメリット
・持ち手を両手で持つか肩にかけて持つかになるため、体重の重たい子ほど長い時間は疲れる可能性あり
・両手が空かない
■ リュック
○ メリット
・両肩で愛犬を支えるので人の肩への負荷が少ない
・両手が空く
・自立するものであれば簡易のドッグハウスとしても支える
・ほとんどの電車で使える形(新幹線除く/念のために乗車希望の鉄道会社要チェック!)
○ デメリット
・かさばる
・人の荷物を入れるバックの形はトートか手持ちかに限られる
■ ドッグスリング
蓋付きとそうでないものがあります。当店のドッグスリングはメッシュカバーを愛犬に被せて顔&体を隠します。
○ メリット
・ドッグキャリーの中で一番軽い
・コンパクトに畳むことができるのでかさばらない
・両手が空く
・汚れたらサブザブ洗濯機で洗うことができる(当店のドッグスリングの場合)
・電車以外にも病院・トリミング・旅行先の人混みでも使うことができる
デメリット
・使える鉄道会社が一番少ない形
・片方の肩で支えるので長時間は肩腰が疲れる可能性あり
■ ペットバギー(ペットカート)
○ メリット
・キャリーのように肩や腕で持つわけではないので楽(愛犬の体重が重い子ほど特に!)
・↑なので、長距離移動にも向いている
・多頭連れの移動と言えば、ペットカートが一番かもしれません
○ デメリット
・かさばる
・家での収納に場所をとる
・駅内の移動で階段やエスカレーターでの持ち運びは辛い
【準備3】キャリーバッグやゲージに愛犬を慣れさせよう!
次に、キャリーグッズを用意したら、そのアイテムに愛犬を慣れさせる必要があります。ぶっつけ本番は、愛犬が落ち着かなくて吠える原因にもなりますのでかなり危険!
うちはというと、普段からドッグスリングを使っていますし、ドッグトレーナーさんにアドバイスをいただきながらソフトクレートのトレーニングもしました。
購入したクレートやキャリーバッグで愛犬が落ち着かない状態にも関わらず、慣れない環境に行ってしまうと、不安や恐怖で鳴き続けることだってありえます。だからと言って、愛犬の顔を外に出すことはどの鉄道会社でもできません。ここは焦らず焦らず!時間をかけてゆっくりと慣れさせてください。
もし、愛犬がなかなか落ち着いてくれない場合は、無理やり慣れさそうとせず、
わたしみたいにドッグトレーナーさんに相談するのもありです!
【準備4】乗車前に排泄は済ませておこう!
さて、
乗車する鉄道会社のルールを確認し、
キャリーグッズを用意してそのキャリーグッズに愛犬を慣れさせたら、
いよいよ電車に乗る直前の準備です!
わたしの場合は駅に入る前に、公園を散歩しながら愛犬の膀胱をカラッカラにします。
なので、愛犬と乗車する日はいつも時間に余裕を持って家を出ます。
また、うんちに関して言えば
うちの愛犬達はどうやら「押し出し式」のようで、食後はすぐにうんちをします。なのでわたしの場合、余裕を持って2時間前ぐらいまでには食事を済ませるようにしています。
【準備5】駅での手続き方法と駅構内での注意点
そして、
愛犬のトイレが済んだら、用意したキャリーバッグやクレートにわんこを入れて駅の中へ入っていきます。まずは駅員さんのいる有人改札へ行き、手回り品切符を購入します(無料の場合は自分の切符を購入してそのまま改札へ)。駅員さんに「犬を乗せたいので手回り品切符をください」と伝えます。購入した切符はバッグに付けるか、すぐに提示できるよう持っておくと便利。自分の乗車券も購入したら、ホームへいざ出陣!!
ちなみに、よく電車を使うのであればICカードを作って混雑するかもしれない切符売り場を回避しちゃいましょ!
[注意点]電車を待っている際、ホームでは絶対にわんこを外に出すことはできません!
乗車中のマナーと注意点
さーて、ここまでは電車に乗る前の準備を書いてきましたが、ここからは乗車中のマナーや、気をつけたいこと、そして注意点をまとめておきます。トラブルを起こさない為のコツでもありますので、要チェックです!
・クレート(ゲージ)の置き位置や、電車内での立ち位置
できる限り人の少ない時間帯や人の少ない車両を選ぶことがおすすめ。その上で、もし近くに人がいないようであれば、座席に座って膝の上にゲージやキャリーバッグを置きます。
鉄道会社のルールで「犬連れは座席に座ってはいけない」というルールは見たことがありませんが(ご存知の方は教えてください)、愛犬が暴れそうとか心配な方は座らない方が無難です。
愛犬のキャリーバッグを足元に置くのもありですが、他の人に蹴られちゃう可能性もあります。状況を見て適切な場所を判断してください。足元で愛犬が落ち着かなそうであれば、車両の隅に立ち、高い位置で抱っこみたいにクレートを抱えると、クレートの隙間から愛犬がこちらを見やすくなるので愛犬が安心できるかもです。
ちなみに、手荷物棚には絶対に乗せちゃダメです!不安定なのでかなり危険です。
立ち位置によっては直射日光が当たったり、冷暖房が直接当たるような場所にケージやキャリーバッグは置かないように気をつけてください。クレートやバッグ内の温度が上がると愛する我が子が中でへばっちゃいます。
・犬の存在を知らせないこと
鉄道会社のルールは「キャリーグッズで犬の身体を隠すこと」が絶対条件ですが、色んな鉄道会社と話したところその真意は「犬の存在をできる限りなくす」ことでした。
わん友さんから聞くところによると、キャリーグッズで隠していても、たまに犬好きの方などに気が付かれてしまい「触らせてください」や「抱かせてください」なんて言われたことがあるそうです。その場合は「ルール違反になりますので。」と言って丁寧に断るようにしてください。
・動物が苦手な方への配慮
上記の”車内では隅の方に立つ”や”存在を気付かせない”というのは、犬(動物)が苦手な人がいる方への配慮になります。電車という公共の場所では、アレルギーを持った人、動物を極端に恐れる人や生理的に受け付けないといった人もいます。
わんこに対して様々な感情を持った人がいるという認識で行動することが求められます。また、特別苦手ではない人でもマナーに厳しい意見を持った方もいますので、トラブル防止のためにも最大限の配慮を心がけてください。
・ぶっつけ本番ではなく、最低1回は練習をしましょう
わたし達人間でもはじめての挑戦は緊張しちゃいます。もちろんわんこだって同じ。ぶっつけ本番での長距離電車移動は、人もわんこも慣れていませんのでトラブルが起きやすくなります。
「はじめは1駅分の往復だけ」してみて、
自分自身がまず愛犬と電車に乗ることに慣れ、ホームや車内等での愛犬の反応も知ることで、どんな対策が必要なのか見えてきます。
・電車内で犬が鳴き始めたら
愛犬が形振り構わず鳴いたり吠えたりしないように、事前にトレーニングは必要です。ドッグトレーナーさんに相談もあり!
事前トレーニングは必須ですが、慣れない電車移動で愛犬が吠えてしまう事も考えられます。その場合はいったん電車から降りて、ホームなどで愛犬を落ち着かせてください。落ち着かないようであれば、外に出てることも考えてください。
もし長距離を電車で移動する場合は、時間に余裕を持って出発してください。愛犬が飽きないためにもハードクレートを使用する場合は中にお気に入りのおもちゃを入れておくのも良いと思います。
他にも、暑い日は保冷剤を入れたり、小さいブランケットを入れてクレートの中を快適にしてあげてください。また、乗り物酔いをしてしまう子には獣医師さんに相談すると酔い止めの薬を処方してもらえることもできます。
実際に愛犬と電車に乗ってみた!
というわけで、実際に愛犬と大阪の市営地下鉄に乗って実家まで帰ってみた時のレポです。乗車時間20分で乗り換え1回。
まずは改札。
なんなくスルー。
2年前に愛犬とはじめて乗車した時は、駅員さんに凝視されるのではと心臓バクバクでしたが
現実→わたしの顔すら見ていない・・・・
次は駅のホーム。
誰もわたしに注目しない・・・・
そして、車内!!(*駅のホームのトイレで信さんとスリングを交換したため色が変わってます)
はい、
誰も見てこなーい。
愛犬が吠えたらどうしよう、誰かに「降りろやー!」とか言われたらどうしよう(よっぽどのことがないとありえないかと)。なんてはじめて電車に乗った時はド心配しておりましたが、これまでにトラブルに巻き込まれたことは一度もありません。
あと、こんな質問をよく聞かれますので答えておきます。
Q 他人にジロジロ見られませんか?
A 誰にもジロジロ見られたことはありません!思っているほど他人は自分を気にしていないみたいです。
Q 犬は暴れませんか?
A うちの場合は電車のガッタンガッタンという音にブルブル震えていましたが、特に暴れるでも吠えるわけでもなく静かでした。これに関してはわんこの性格によりますので試してみたい方は、「ホームに行ってみて1駅で降りて戻ってくる」などからはじめてみるのがいいかもです。
いつもわたしが気をつけていることをまとめました。
・出勤や帰宅ラッシュなど人の多い時間帯は避ける
・できる限り端っこに寄って立ち、愛犬の顔を壁側に向ける
・目的地まで最短距離で着くように、乗り換えが少なく、ホーム間の移動距離が短いルートを事前に探す(ただし、混みやすい路線の場合はあえて距離の長い方を選択する場合もあります)
なんだか悪いことをして追っかけられている人みたいですが・・・わたしはできる限りのトラブルは避けたい派なのでルールよりも慎重に乗車しております。
ちなみに、よく電車に乗るわん友さんに聞きましたが、愛犬の顔を出しながら乗車している人もたまに見かけるそうです。
はい、こんなことをしちゃうと鉄道会社のルールが厳しくなって、最悪犬連れNGになる可能性があります。皆さん、くれぐれもそうならないよう、お互い協力し合いましょうっっ!
まとめ
色々と注意すべき点をたくさん書きましたが、これも全て私たち愛犬家がこれ以上厳しいルールに縛られないようにするためなのです。実際にJRがさらに厳しくなっています・・・。
愛犬家がルールを守らないということは、自分の首を自分で締めているようなものです。一人一人が意識を高くして、ルールを緩和してもらえるような世の中を目指していれければなぁっと思う今日この頃です。
ちなみに、例えばドイツは愛犬をキャリーに入れなくても一緒に電車やバスに乗車できますよねー!あーうらやましい!
「ドイツ 犬 電車」とググれば沢山写真がでてきます。
将来、我が子と電車で より気軽にどこまでも行ける 国にするためにも、上記のルールやマナーをしっかり守って、我が子とのお出かけを楽しみましょうっっ!